低学年クラスでは、Scratch Jr.を用いてプログラミングの考え方を学び、アニメーションで物語を構成することが目標です。それら学習した機能を組み合わせることによって、最後は簡単なゲーム作りにも挑戦します。
◆Scratch Jr. について
Scratch Jr.には以下のコマンドグループがあります。まずはこの基本の6つを覚えましょう。
Scratch Jr. の コマンドグループ |
代表的なコマンド |
①イベント | 「旗がクリックされたとき」などのスタート条件 |
②動き | 「1歩右に行く」「1つ回転(30度)」 |
③見た目 | 「Helloと言う」 |
④音 | 「ニャーの音を鳴らす」「録音&再生」 |
⑤コントロール | 「繰り返し」「10待つ」 |
⑥終わり | 「ストップ」「はじめから繰り返す」 |
◆第一期の学習予定内容
日程 | 履修内容 | 作るアニメーション /ゲーム |
その他の話題 |
10月29日(日) | Characterを動かす ①イベント、②動き、③見た目、⑤コントロールフラグスタート クリックスタート |
・ドライブ/飛行
・ダンス |
座標の概念
Characterの作成 |
11月26日(日) | 動きの制御の違い、並列処理 ・単純移動(右に移動) ・逐次移動(右・上・右・上) ・並列移動(右上・右上) Bump スタート |
・ 会って挨拶 | Characterの作成 (カメラ機能) |
12月17日(日) | メッセージスタート Characterの並列処理・制御 場面遷移 メニュー表を用いた場合分け ゲームへの応用 |
・教室での会話
・虫を避けてゴールを目指すゲーム |
ステップ処理と時間
場合分けの考え方 |
1月28日(日) | Scratch Jr. 各機能の復習 発表会/品評会 |
~自由に作成~ | 作品のシェアの方法 |
もし予定より早く内容が進められた場合、他のプログラミングソフト「Viscuit」にも挑戦してみましょう。「乱数」「自己複製」の機能を用いた、更に複雑なゲーム作りを体験できます。
WS報告(復習、宿題)
◆10月29日(第1回)の学習内容、復習
- 基本操作
・うごき(青色のブロック)
・見た目(紫のブロック)
・コントロール(オレンジのブロック) - ロボット(mBot)実演
- 座標の確認
・グリッドの表示
・マスを整える - キャラクターの削除・追加(ネコを消して、車(うんてんしゅ)を追加)
- 背景の変更
- ドライブアニメーションの作成
- ダンスアニメーションの作成
◆11月26日(第2回)の学習内容、復習、宿題
スタートブロック: スタートの種類は4つあります。
フラグスタート | 緑の旗を押すと、すべてのキャラクターが一斉にスタートします |
タッチスタート | キャラクターを指で触ると、そのキャラクターだけがスタートします。 |
バンプスタート | キャラクターに他のキャラクターがぶつかると、スタートします。 |
メッセージスタート | メッセージが発信されると、スタートします。 |
<具体例>
メッセージスタート
第一回では「複数のキャラクターが一斉にフラグスタートをする」アニメーションが作れましたが、
第二回ではメッセージスタートを使って、「別のキャラクターがカウントダウンをしたら、他の3つのキャラクターが同時にスタートする」というアニメーションが作れました。
バンプスタート
キャラクター(A)がキャラクター(B)にぶつかると、(B)が「いたい!」「やめてよ」というアニメーションが作れます。ここで、(A)が(B)に触ったままだと、(B)はずっと「痛い」「やめてよ」と繰り返し言い続けるので、ぶつかった後に(A)を少し移動させる(後ずさりさせる)、などの工夫が必要です。
次回(第三回)で行う、ゲーム作成への応用
- バンプスタートは、ゲームのキャラクターの反応/変化に利用できます。
- タッチスタートは、メッセージスタートと組み合わせて使うと、ゲームのコントローラーが作れます。
キャラクターが複数の動きを同時に行う
プログラムでは、普通はコマンド(命令)を順番に実行します(逐次処理)が、複数のコマンドを同時に実行させることもできます。
- 斜めの動き: 例:右に移動と、上に移動を、別々のブロックで同時に行うと、右上に移動します。
⇒ 第三回では、こうもりが「ふらふら飛ぶ」様子を作ります。 - 「○○と良いながら、ジャンプする」、「上記のバンプスタートで、ぶつかられた(B)が『いたい!』と良いながら、小さくなる」というアニメーションも作れますので、挑戦してみてください。
宿題: ロケットのアニメーションを作る
- 「5, 4, 3, 2, 1, 発射!(Lift off!)」 と誰か(管制官)が言う。
- 3つの部品でできるロケット(①第一段ロケット、② 第二段ロケット、③ ファネル)が同時に真上に飛び立つ。
- 第一段ロケット切り離し:①第一段ロケットをかくす(見えなくする)。②・③はななめに飛んでいく。
(このとき、回転できると良いですが、難しいです。やり方は、第三回で紹介します) - 第二段ロケット切り離し:②第二段ロケットをかくす(見えなくする)。
- ③ファネルだけ、さらに飛び続ける。
【関連の話題】
◆12月17日(第3回)の学習内容、復習、宿題
今回は、シューティングゲームを作成しました。
「発射するもの」を左右一対の移動ボタンで動かし、発射ボタンで的に的に向かって発射します。
「的」は、ふらふらした動きを続けます。
プログラムは同じでも、「発射するもの」「的になるもの」の組み合わせで、様々なシューティングゲームを作ることができます。
発射するもの: サッカーボール、バナナ、矢、星、その他
的になるもの: サッカーゴール、人、動物、怪獣、その他
メッセージスタートを使ったコントローラーの作成
メッセージスタートを使うことで、タッチしているキャラクターとは違うキャラクターを操作することができます。
- 移動ボタン
移動ボタンにタッチすると、メッセージを送る。 メッセージを受け取ったキャラクター(主人公)は、右/左/上/下 に移動する - 発射ボタン
発射ボタンにタッチすると、メッセージを送る。 メッセージを受け取ったキャラクター(弾など)は発射する
ランダムな動きを擬似的に作る
不規則な動きをコンピューター上で実現するために通常は「乱数」を使いますが、Scratch Jr. では乱数は使えません。
そこで、複数のループを入れ子構造にして(3層~5層程度)、その中に移動ブロックをおくことで、一見ランダムな動きを実現します。
ループ回数や移動距離の数字をばらばらにすることが、ランダムに見えるためのコツです。
宿題: 今回作ったシューティングゲームを家族にやってもらう
- お父さん・お母さん・兄弟姉妹に遊んでもらってください。
- どうすればもっと面白くなるか、意見をもらいます。
- できる範囲で改良してきてください。
第四回の最初に発表してもらいます。
- どんなゲームを作ったか
- 誰に遊んでもらったか
- 改良のための意見はもらったか、何か
- どのように改良したか