オランダで冷感スプレーを作れるか

オランダ情報

来週火曜は、40℃近くまで気温が上がると予想されています。25℃を超えることもまれなオランダで、40℃近くはかなりの非常事態…。熱中症や水不足も心配されてます。無理せず、水分をしっかりとって過ごしましょう!


https://www.buienradar.nl/ より。来週のアムステルフェーンの天気予報

さて、今年久しぶりに日本へ一時帰国しましたが、まだ5月でもお店にはいろんな暑さ対策グッズが並んでいました。ハンディ扇風機やクールタオル。ここまでは6年くらい前もよく見ていたもの。ですが今回特に新たに目を引いたのは「冷感スプレー」でした。衣類や肌につけて、速攻で涼しくなるという物。今回はこの「冷感スプレー」をオランダで作れないか?というのを考えてみます!

冷感スプレーとは?

日本で市販されている冷感スプレーは、衣服にスプレーして表面温度を下げるものが主流でした。着ていて熱がこもった服の温度を、実際に下げます。なぜ温度が下がるかというと、「気化熱」という仕組みのため。ざっくり言うと「濡れたものが乾く時に、周りの温度を奪っていく」ので、温度が下がるのです。

あれですね。「体がぬれたままだと、冷えて風邪を引くよ!」というやつです。

なので、服の上からバシャッと水をかけてもいいんですが、すぐに乾く・保存がきくという点で、エタノール(アルコールの仲間)と水を混ぜたものが主な成分のようです。(注射の時に、エタノール消毒で拭かれるとヒヤッとしますね。)

というわけで、オランダで一番簡単な「手作り冷感スプレー」的なものは、
・水浴びをする!
・水とエタノールを混ぜたものをかける!

と、いうことか・・・。
普通にバシャッと水をかけるというのが、結局お手頃なんですね~。まぁ日本では、スーツで外回り中にそんなことできないという事情もあって、こういうスプレー製品が売れているのでしょう。

メントールの効果を考えてみる

ここでもうひとつの成分に注目。この手の商品によく見られるのが「メントール配合」という文章。メントールが入っていると、なんだかスッとして涼しげな感じがします。そもそもメントールってなんでしょう?

メントールは、ハッカやミントに含まれる成分の一種。メントールだけを取り出した結晶は「ハッカ脳」や「メントールクリスタル」といった名前で市販もされています。毒性も低く、特に免許や申請もなく購入できます。

実はメントール自体には、温度を下げる効果はありません。

水やエタノールは、直接肌につけても蒸発しながら温度を奪っていきますが、メントールで涼しさを感じるのは別の仕組みでした。

「辛いものを食べると舌がやけどしたように感じる」というのがありますが、メントールはこれの逆バージョン。辛いものの場合は、唐辛子などに含まれるカプサイシンが、皮膚にある「刺激をキャッチする部分」にくっついて、痛さや熱さのような感覚として脳へ伝えます。メントールの場合は、同じく「刺激をキャッチする部分」にくっついて、冷たさとして脳へ伝えるのです。

なので、冷たく感じるけど、実際には冷たくなっていない!というのがメントールの正体でした。

というわけで、冷感スプレーにメントールを足すと、涼しさを感じる効果はあがるけど、温度を下げる効果は変わらないというわけです。

この辺のことを調べていたら、ちょうどサイエンス作家のくられさんが、冷感スプレー自作のことを書かれていました!なんと強力メントールスプレーで暑さを感じなくなったため、実際に体温が上がっていたことに気づかず熱中症になってしまったそうです・・。これは怖い。使い方には要注意ですね。

ヘルドクターくられの事件簿:【最強ミント液】キワミ冷感スプレー

オランダで材料を揃えよう!

では、普通に使えそうな冷感スプレーを作るとしたら、オランダで材料は揃うのか?答えはもちろんJa!です。

材料はこちら(約100cc分)

水道水でOK。90cc
エタノールKruidvatやEtosで購入可能。ここでは96%エタノールを使用。
70%のも売っています。
https://www.kruidvat.nl/kruidvat-96-alcohol-ketonatus/p/2640051
10cc
お好みでメントールMenthol Kristallenで検索するとネットで買えます。
50gで10ユーロ前後。
余ったら、虫よけ・芳香剤・入浴剤としても使えます。
でも効果が強いので使用量に注意!

1g
スプレーボトルActionやIKEA、Dille&Kamille、園芸店などで購入可能。 

市販品では、エタノール濃度は60%前後のものが高濃度として売られていました。でもあまりエタノール濃度が高いと、引火や皮ふかぶれの可能性もあるのでご注意を。ここでは10%程度にしていますが、もっと効果を高めたり、大人が使用する場合はエタノールを足して調整してみてもOKです。

作り方は水90ccに、エタノール10ccを混ぜるだけ。メントールを入れる時は、水に溶けないので先にエタノールとメントールをよく混ぜて溶かします。その後に水を足せばOKです。

というわけで、冷感スプレーのポイントは

・水やアルコールの気化熱で、実際に温度を下げる効果
・メントールの、涼しさを感じる効果

の、2つでした!
水だけでも、気化熱の仕組みで効果が得られるので、暑い日に水を飲むのはもちろん、肌につけるという使い方もぜひ。うまく利用して、熱波をのりきりましょうー!

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